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犠牲バントという美学

「点が入る状況とは」のところで述べましたが、2塁にランナーを進めるために、送りバントという戦術が使用されます。 打者が犠牲になってランナーを2塁に活かすので、「犠牲バント」とも呼ばれます。

打者が犠牲になるケース、つまり犠打としては、他に「タッチアップ」という外野にフライを放って、野手が捕球してアウトが宣言されてから3塁からのランナーを本塁に迎え入れる「犠牲フライ」というケースがありますが、「犠牲」という感じが強いのはやはりバントですね。

タッチアップの犠打の場合は、「打ったぁ~大きいっ! ホームランかぁ? いや伸びないぃ、ライトかまえたぁ、が、犠牲フライとしたは十分な距離ぃ。 ・・・3塁ランナーホームイーン!」と何か花があるのです。

バントだって簡単ではないのです。 守備側は送りバントを阻止するために、一塁手と三塁手が、バッターの目と鼻の先と言えるくらいの位置に前進守備をするのですから・・・。

しかもピッチャーもバントし難いボールを投げてきますしね。

そんな状況の中、日本プロ野球において、「バント職人」の名を欲しいままにした名選手がいます。

川相 昌弘(かわい まさひろ)選手。 24年間の現役生活で533本の犠打は世界最多の記録です。

背番号0番を背負った名遊撃手(ショート)でもあり、その正確で堅実な守備も、彼が職人と賞される理由だったと思います。 守備の優れた選手の栄誉、ゴールデングラブ賞も6回受賞しています。

チームが勝つために自分を殺して他人を活かす。 人生送りバント。 

自分のサラリーマン人生に彼の生き様を重ねて応援していた人も多かったでしょうね。

 

犠牲バントは特に日本の野球を象徴している戦術です。 自分が犠牲になるより、自分が打って結果を出すという意識が強いアメリカ人の野球では、日本ほど犠打でランナーを送るというケースが多くありません。 それゆえ、内野ゴロ、ダブルプレーに終わることもあるのですが、それでも犠打は嫌いなんでしょう。 国民性が出ていて興味深いです。

 

 


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